フリースクール初日に「行けない」と言われたら|予定変更を失敗にしないために
見学では落ち着いていたのに、初日の朝になったら布団から出られない。玄関まで来たけれど『やっぱり行けない』と言う。保護者の方は、ここで休ませたら今後も通えなくなるのではないかと不安になります。しかし、初日に予定どおり到着できなかったことだけで、その場所が合わない、本人に通う意思がないと判断する必要はありません。その日の負担を小さくし、次につながる情報を残すことが大切です。
この記事でわかること
初日の朝に動けなくなったとき、本人を責めずに予定を調整する方法をまとめます。
- 『行けない』と言われた直後の声かけ
- 施設へ伝える内容と、予定を小さくする方法
- 休んだあとに次の一歩を決める考え方
まず、理由を急いで聞き出さない
最初は『分かった。少し落ち着いてから考えよう』と、いったん受け止めます。『昨日は行くと言ったよね』『せっかく準備したのに』と確認を重ねると、本人は理由を説明することと、保護者を納得させることの両方を求められます。本人自身も、何が不安なのか言葉にできない場合があります。
体調、安全、強い心身の不調など緊急に確認すべきことは別として、詳しい理由はその場で聞き切らなくて構いません。行く・休むの結論を急ぐ前に、水分を取る、着替えをやめる、静かな場所へ移るなど、まず負担を下げます。
一日分の予定を、もっと小さくしてみる
『予定どおり行く』か『全部休む』かの二択にせず、本人が選べそうなら小さな案を二つほど示します。選べないときは、大人が『今日は休みにして、施設にはこちらから連絡するね』と決めても大丈夫です。選択の責任まで本人へ背負わせないことが大切です。
- 建物の近くまで行き、入らずに帰る
- 玄関でスタッフへ挨拶するだけにする
- 到着時間を遅らせ、短い時間だけ過ごす
- 本人は休み、保護者だけが施設へ相談する
- 今日は完全に休み、次の連絡日だけ決める
施設には、本人の前で長く説明しなくて大丈夫です
欠席や遅刻の連絡では、『今朝は外出の負担が大きいため休みます』『短時間なら行ける可能性があります』など、今必要な情報を簡潔に伝えます。本人の性格や家庭での出来事を、本人の前で詳しく説明する必要はありません。改めて相談したいことは、保護者だけで話せる時間を設けてもらいます。
その際、キャンセル料や振替の扱い、次回は到着時間を変えられるか、入口で迎えてもらえるかなど、具体的な条件を確認します。施設ごとに対応は異なるため、できることをその都度確かめましょう。
休んだ直後に、反省会をしない
休むことが決まった直後は、『何が嫌だったの?』『次は行ける?』と続けて聞かず、普段の過ごし方へ戻します。落ち着いてから話せそうであれば、『朝は何が一番つらかった?』『時間を遅くするのと、短くするのならどちらが楽そう?』のように、答えやすい範囲で確認します。
話したくない場合は、無理に理由を特定しません。保護者は、前夜の様子、睡眠、出発準備のどこで表情が変わったかなど、見えた事実だけをメモしておくと、施設との相談に役立ちます。本人の怠けや意欲不足と決めつけず、負担になった条件を探します。
次の予定は、一段小さいところから
次回も同じ予定をそのまま繰り返すのではなく、時間、滞在時間、入口、当日の過ごし方のうち一つを小さくします。前日に最終決定する、当日の朝に変更できるようにするなど、逃げ道も一緒に決めます。行けたかどうかだけでなく、『不安を伝えられた』『予定を変更できた』『施設へ相談できた』ことも、次につながる大切な情報です。
文部科学省は、不登校の支援について、登校という結果だけを目標にせず、本人の希望を尊重し、状況に応じた支援を行うことを示しています。フリースクールへ通う場合も、最初から安定して通えることを前提にせず、安心を保ちながら本人に合う通い方を探していきます。
参考資料
制度や支援の考え方は、以下の公的資料を確認しています。