川崎市の不登校支援、2026年度はどう変わった?|家庭で使える新しい選択肢
川崎市で不登校や登校しぶりの相談先を探すとき、『学校へ戻るか、フリースクールへ行くか』の二択で考える必要はありません。川崎市教育委員会は2026年度、学校内の居場所づくり、ゆうゆう広場による家庭訪問・ICT支援のモデル事業、保護者向けピアサポートなどを案内しています。今いる場所から使える支援を知り、本人と家庭に合う組み合わせを考えましょう。
この記事でわかること
2026年10月13日に確認した川崎市の公式情報をもとに、新しい支援の内容と相談時の確認点を整理します。
- 2026年度に川崎市が案内している3つの支援
- 学校へ行きづらい状態に合わせた相談先の選び方
- 在籍校へ最初に伝えるとよいこと
選択肢は『登校する・しない』だけではありません
川崎市の案内には、在籍校の教室以外で過ごす方法、学校外の教育支援センター、自宅から使えるICT、民間のフリースクール、保護者の相談先などが並んでいます。どれか一つに決めてから相談するのではなく、今の状態で使えそうなものを確かめ、必要に応じて組み合わせることができます。
文部科学省は、不登校支援について、登校という結果だけを目標にせず、本人の希望を尊重しながら社会的自立を目指すことを示しています。新しい制度や場所を利用すること自体を目標にせず、本人が安心を保てるか、家庭が続けられるかを基準に考えます。
1.学校の中に、教室以外の居場所を整える動き
川崎市は、在籍する教室に入りづらい子が、学校内の別の場所で勉強したり気持ちを落ち着けたりできる校内教育支援センター(別室指導)を案内しています。2026年度は、小中学校28校に専任スタッフを配置し、すべての小中学校への段階的な整備に向けた取組を進めるとしています。
これは、市内すべての学校で同じ体制や利用方法が整っているという意味ではありません。まず在籍校へ、『教室以外で過ごせる場所はあるか』『利用できる時間や担当者は誰か』『登校できない日も連絡をつなげられるか』を尋ねます。本人が校門まで行くことも難しい時期は、利用開始を急がず、保護者だけで情報を確認して構いません。
2.ゆうゆう広場に、家庭訪問・ICTのモデル支援
川崎市内6か所にある公設の教育支援センター『ゆうゆう広場』では、小集団の体験活動や学習活動が行われています。2026年度からはアウトリーチ機能として、家庭訪問やICTを活用した伴走型支援のモデル事業も案内されています。外へ出ることが難しい段階でも、相談できる可能性が広がりました。
ただし、モデル事業は利用地域、対象、開始までの手順が通常の通室と異なる場合があります。『家庭訪問やICT支援の対象になるか』『在籍校を通して申し込むのか』『本人が画面に出られない状態でも相談できるか』を、在籍校または川崎市の窓口へ確認してください。利用できなかった場合も、本人や家庭の努力不足ではありません。別の相談方法を一緒に探します。
3.自宅での学びは、市立学校を通して相談できます
川崎市は、市立学校に在籍する不登校の子ども向けに、学習動画やドリルを備えたオンライン学習システム『デキタス』を取り入れ、学校を通してアカウントを配布していると案内しています。GIGA端末で担任とやり取りしたり、学習アプリを使ったりする方法もあります。
自宅学習を始めるときは、教材を渡して終わりにせず、どこから始めるか、質問は誰にできるか、取り組んだ内容をどう共有するかを確認します。学年どおりの単元が負担なら、前の単元へ戻る、動画だけ見る、PCで答えるなど、本人が取り組みやすい方法を相談します。学習の成果を成績評価へ反映するかは在籍校が個別に判断するため、出席扱いとは分けて確認します。
4.保護者も、一人で抱え込まないための支援
川崎市は2026年度から、親の会などと連携した保護者向けピアサポートを始めたと案内しています。不登校を経験した保護者が研修を受け、悩みを共有したり一緒に学んだりする場づくりを支える取組です。専門相談とは役割が異なりますが、同じ立場の経験を聞くことで、家庭だけで答えを出さなくてよいと感じられることがあります。
市のLINE公式アカウント『川崎市支援教育課_多様な学び支援』(ID:@319znagn)では、学校内外の学びの場やイベントなどを発信しています。情報を受け取るだけでも構いません。参加を本人へ強く勧める材料にせず、保護者が選択肢を知るために使います。
今の状態から、相談先を選びます
最初から最適な支援を決める必要はありません。今困っていることに近い入口を一つ選びます。
- 教室には入れないが学校内なら行けそう:在籍校へ別室と校内教育支援センターを確認
- 外出や対面が難しい:ゆうゆう広場のアウトリーチやICT支援について相談
- 自宅で少し学びたい:在籍校へGIGA端末とデキタスの利用方法を確認
- 保護者が孤立している:教育相談センター、ピアサポート、親の会を確認
- 学校外の居場所や学びを探したい:公的支援とフリースクールを比較し、保護者だけの相談から始める
在籍校へは、3点だけでも伝えられます
相談の最初に詳しい経緯をすべて説明しようとすると、保護者の負担が大きくなります。まずは『今できていること』『難しいこと』『知りたい支援』の3点を短くまとめます。たとえば、『午前中の外出は難しいが、午後なら短時間動けることがあります。本人はオンラインなら話を聞けそうです。家庭訪問やICT支援の対象と相談手順を教えてください』と伝えます。
相談先によって説明を何度も繰り返さずに済むよう、連絡窓口と共有範囲も確認します。本人の事情をどこまで共有するかは、大人だけで決めず、可能な範囲で本人の意向を確かめます。支援を利用するかどうかをその場で決めず、持ち帰ることも選択肢です。
公的支援とフリースクールは、比べて一つに絞る必要はありません
校内の別室、ゆうゆう広場、自宅でのICT、フリースクールは、運営主体、対象、活動、費用、学校との連絡方法が異なります。週の一部を学校外の居場所で過ごし、自宅ではオンライン教材を使うなど、本人の状態と制度の条件に応じて組み合わせる考え方もあります。
フリースクールを利用した日を出席扱いにするか、学校外の学習を評価に反映するかは、自動的に決まるものではありません。在籍校と、必要な記録、確認の時期、連絡方法を相談します。新しい選択肢が増えても、本人へ予定を詰め込まず、『今は使わない』ことも含めて選べるようにします。
多摩区・生田で探すときの確認順
まず川崎市の公式ページで現在の支援と窓口を確認し、在籍校へ利用条件を尋ねます。そのうえで、通える範囲の居場所やフリースクールを調べ、保護者だけの相談、短い見学、本人の希望確認へ進みます。制度名が分からなくても、『家から出にくい』『教室以外なら行けるかもしれない』と今の状態を伝えれば相談を始められます。
LUMILIAは川崎市多摩区・生田にあるフリースクールです。公的支援の代わりになると決めつけず、ご家庭と本人が使える選択肢を整理するところからご相談いただけます。出席扱い、成績評価、学校との連携は在籍校の判断や確認が必要です。相談や見学は、保護者の方だけでも受け付けています。
参考資料
制度や支援の考え方は、以下の公的資料を確認しています。