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不登校の子の昼夜逆転を責めないで|生活リズムを整える7つの工夫

昼まで眠っている、夜になると元気になる、ゲームや動画が深夜まで続く。そんな姿を見ていると、保護者の方は『このまま戻らなくなったらどうしよう』と不安になると思います。ただ、強く叱ったり、一日で元の時刻に戻そうとしたりすると、親子ともに疲れてしまうことがあります。生活リズムは本人の意思だけの問題と決めつけず、今できる小さな調整から一緒に考えていきましょう。

夜ふかし・朝寝坊を「怠け」と決めつけない

不登校になると、決まった時刻に登校する必要がなくなり、日中の活動や人との関わりが減ることで、寝起きの時刻が少しずつ後ろへずれることがあります。また厚生労働省の睡眠ガイドでは、思春期は体の変化によって夜ふかし・朝寝坊になりやすい時期であり、勉強、友人関係、デジタル機器の利用なども睡眠習慣に影響すると説明されています。

つまり、ゲームだけ、本人の気持ちだけ、保護者の関わりだけを原因にすることはできません。まず『直さなければ』と責任を追及するより、何時ごろ眠くなるのか、どの時間なら比較的動きやすいのかを知るところから始めます。

1.最初に「困っているのは誰か」を確かめる

保護者は困っていても、本人は今の睡眠でようやくつらい時間をやり過ごしていることがあります。反対に、本人も『朝起きたいのに起きられない』『夜も休んだ感じがしない』と困っているかもしれません。

話せる状態なら、『朝起きること』を目標にする前に、『今いちばん困っていることは何?』『少し変えるなら、どこならできそう?』と尋ねます。答えが出ないときは、その場で約束を決めなくて構いません。

2.一度に全部ではなく、動かす時刻を一つ選ぶ

就寝、起床、食事、入浴、ゲームの終了を同時に変えようとすると、守れなかった経験ばかりが残りやすくなります。本人と相談し、まず一つだけ、今より少し動かせそうな時刻や行動を選びます。

たとえば『起きたらカーテンを開ける』『最初の食事だけは同じ場所でとる』『ゲームを終えた後に照明を少し落とす』などです。できない日があっても、罰や説教を加えず、変化が大きすぎなかったかを見直します。

  • 本人が選べる候補を二つほど示す
  • 一週間ほど試し、合わなければ方法を変える
  • できた日数より、取り組みやすかった条件を見る

3.起きた時刻を「その日の朝」にして、光と食事を使う

厚生労働省の睡眠ガイドは、朝の日光や朝食が睡眠・覚醒リズムを整える手がかりになるとしています。ただし、今の起床時刻が昼過ぎなら、いきなり早朝に起こすという意味ではありません。まず起きたらカーテンを開ける、窓辺で飲み物をとる、可能なら短時間だけ外へ出るなど、今の生活の中で光を取り入れます。

食欲がないときに無理に量を求めず、本人が口にしやすいものを少し用意する方法もあります。小さな行動を毎日の目印にし、少しずつ時刻を相談します。

4.日中の活動は、外出や勉強だけにしない

睡眠のために体を動かそうと言われても、外出への不安や心身の疲れが強い時期には難しいことがあります。散歩や運動だけでなく、ベランダに出る、買い物に一緒に行く、料理を手伝う、好きな音楽を聴きながら少し片づけることも日中の活動です。

『生活リズムを直すため』と活動を課題にせず、本人が少し気分を変えられることを探します。何もできない日は、休息が必要な日だったと受け止め、翌日に同じ量を取り戻させないことも大切です。

5.ゲームやスマホは、取り上げる前に一緒に区切りをつくる

夜のゲームや動画が睡眠を遅らせる一因になることはあります。一方で、ゲームが安心できる時間や友人との大切なつながりになっている子もいます。突然取り上げると、睡眠だけでなく安心や関係まで失ったと感じる場合があります。

まず、いつなら終わりやすいか、オンラインの約束は何時まであるか、終了後に何をすると落ち着くかを聞きます。『あと一試合』『この動画まで』のように本人にも分かる区切りを決め、通知を切る、充電場所を変えるなど、実行しやすい環境を一緒につくります。守れないときは約束を強くするのではなく、区切り方が現実的だったかを見直します。

6.評価表ではなく、短い生活メモをつける

変化を見るために、細かな管理表を作る必要はありません。寝た時刻、起きた時刻、外の光を浴びたか、食事や活動、本人の疲れ方を一言ずつ残すだけでも、調子のよい条件を見つけやすくなります。

このメモは本人を採点するためのものではありません。学校や医療機関などへ相談するときにも、『いつも起きられない』ではなく、実際の経過を共有する手がかりになります。本人に見せる場合は、何を記録するか、誰に共有するかも一緒に確認します。

7.眠りの問題が続き、生活に影響しているときは相談する

朝起きられない状態には、生活習慣だけでなく、睡眠の病気や心身の不調が関係していることもあります。十分な時間眠る機会があるのに眠れない、眠っても休めた感じがない、日中の眠気が強い、望む時刻に寝起きできない状態が続き、生活への影響が大きいときは、小児科など身近な医療機関へ相談してください。診断名を家庭で決める必要はありません。

学校への連絡や今後の居場所探しを同時に進めることが負担なら、保護者だけで相談先につながる方法もあります。睡眠を完全に整えてからでなければ、学校外の居場所を利用できないわけではありません。本人が動きやすい時間や滞在時間を相談しながら、外とのつながりを少しずつ増やしていく考え方もあります。

生活リズムより先に、安心を失わないこと

早く寝て早く起きることは大切ですが、そのために毎晩親子で言い争いになり、本人が自分を責めるようになれば、続ける力を失ってしまいます。目指したいのは、決めた時刻を完璧に守ることではなく、自分の体調を知り、助けを借りながら調整できるようになることです。

LUMILIAでは、休む、好きなことをする、PCに触れる、人とつながる、学ぶといった選択肢から、その日の本人に合う過ごし方を一緒に考えます。生活リズムや外出に不安がある段階でも、まずは保護者の方だけでご相談いただけます。

参考資料

制度や支援の考え方は、以下の公的資料を確認しています。