不登校の子、学年どおりの教材を続ける?|前の単元へ戻る判断の目安
勉強を再開しようとしたとき、『今の学年の教材を使うべきか、前の学年まで戻るべきか』と迷うことがあります。最初から学年だけで決める必要はありません。本人が取り組めるところを確かめ、必要な部分だけ戻る方が、負担を小さくしながら学習を続けやすくなります。
この記事でわかること
学習の空白があるとき、教材を選ぶための実用的な目安をまとめます。
- 前の単元へ戻った方がよいサイン
- 本人を試験するようにせず理解を確かめる方法
- 今の学年の内容と学び直しを両立する考え方
答えは『全部戻る』でも『学年どおり』でもありません
前の学年へ戻ることは、最初からすべてやり直すことではありません。今取り組みたい内容に必要な知識を探し、つまずいている一段手前だけを確認します。例えば、中学数学で方程式に手が止まるなら、計算の符号や分数まで戻ることはあっても、小学校の教材を最初から全部進める必要はありません。
一方で、今の学年の教科書を閉じてしまう必要もありません。興味を持てる単元や、学校から優先してほしいと伝えられた課題は少量残し、基礎の確認と並行できます。
前の単元を確認したい三つのサイン
次のような様子が続くときは、努力不足と考える前に、課題の入口を変えてみます。
- 問題文を読んでも、最初の一手が分からない
- 解説を見れば分かるが、似た問題ではまた止まる
- 始める前から『どうせできない』と強く身構える
テストではなく、短い問題で出発点を探します
理解度を確かめるために、いきなり広い範囲のテストを行うと、再開そのものが重くなる場合があります。まずは本人が選んだ教科で、一問だけ、例題を見るだけ、口頭で考え方を話すだけでも構いません。正解数より、どこまでは自分で進められたかを見ます。
途中で止まったら、その問題に必要な内容を一つだけ前へ戻します。できたところが見つかったら、そこを出発点にします。『何年生の内容ができない』ではなく、『ここからなら始められる』と伝える方が、次の一歩を選びやすくなります。
今の学年と学び直しを二本立てにします
学習時間をすべて復習にすると、今の授業から離れている感覚が強くなることがあります。例えば、最初の10分で基礎を確認し、余力があれば今の単元に触れるなど、二つを小さく組み合わせます。順番は本人が選んでも構いません。
学校の課題が多い場合は、全部を同じ優先度にせず、在籍校へ『今の理解に合う課題を優先したい』と相談します。文部科学省も、学習状況に応じた指導方法の工夫と個に応じた指導の充実を示しています。
学校や支援先へは、こう伝えられます
『学年の課題を一度に進めると手が止まるため、今できる単元を確認し、必要なところだけ戻りたいです。学校で優先したい内容があれば教えてください』と伝えると、家庭だけで判断を抱え込まずに済みます。学校外で学ぶ場合は、使う教材、取り組んだ範囲、どこまで自分でできたかを短く記録すると、在籍校とも共有しやすくなります。
学び直しの目的は、遅れを一気に取り戻すことではありません。本人が『分かる』『もう一問ならできそう』と感じられる出発点を見つけ、続けられる量に整えることから始めます。
参考資料
制度や支援の考え方は、以下の公的資料を確認しています。